【朝日新聞】 米航空宇宙局(NASA)の探査車パーサビアランス(忍耐)が米東部時間18日午後3時55分(日本時間19日午前5時55分)ごろ、火星着陸に成功した。火星地表の写真も届き、管制室は大きな喜びに包まれた。パーサビアランスは今後、かつて湖があった場所の土壌を採取し、微生物など生命の痕跡を探す。火星のサンプルを地球に持ち帰る史上初の計画にも挑む。
火星への着陸成功は2018年の米探査機インサイト以来。着陸直後に交信を絶った旧ソ連の探査機を除くと9機目となった。
パーサビアランスは昨年7月に打ち上げられ、半年かけて約4億7千万キロを飛行し、火星に到着した。この日午前5時50分ごろ(日本時間)、時速約2万キロで大気圏に突入。パラシュートやロケット噴射などを使って減速し、自ら安全な場所を見つけて着陸した。
火星までの通信には片道10分以上かかり、着陸まではトラブルが起きても地球から支援できない「恐怖の7分間」と呼ばれる。NASAジェット推進研究所(JPL)の管制室では、マスク姿の職員が着陸を見守り、着陸のアナウンスが流れて地表からの画像が届くと、一斉に拳を突き合わせ、拍手をして喜んだ。
02/19 07:47
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【読売新聞 ワシントン=船越翔】米航空宇宙局(NASA)の無人探査車「パーシビアランス」(全長3メートル、幅2・7メートル、重さ1トン)が18日午後(日本時間19日早朝)、火星の「ジェゼロ・クレーター」に着陸した。米国の探査機の火星着陸成功は、2018年の「インサイト」以来で、火星に生命が存在した痕跡の発見を目指す。
「不屈の精神」を意味するパーシビアランスは、昨年7月に打ち上げられた。探査車を収めたカプセルは火星の大気圏に突入後、パラシュートを展開。しばらく降下した後、探査車は空中で浮遊する装置「スカイクレーン」とともに切り離され、減速しながら高度約20メートルの地点に到達した。この装置がワイヤで探査車を地表まで降ろし、着陸に成功した。
地球よりも大気が薄い火星では、減速が難しい。逆噴射など難しい作業が続くため「恐怖の7分間」と呼ばれ、これまでの着陸成功は約4割にとどまっていた。
着陸したクレーターはかつて湖だったとみられ、探査車で土などの試料を採取する。31年にも別の探査機で試料を地球へ持ち帰り、生命がいた証拠となる有機物の有無などを調べる。
火星探査を巡っては、今月に入り、中国とアラブ首長国連邦(UAE)の探査機も、火星の周回軌道への投入に成功している。
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【TC】このミッションには、Ingenuityと呼ばれる新型ヘリコプターロボットも搭載される。地球以外の惑星の大気の中を動力飛行する最初の機体となることで、新たな歴史を刻むことを目指したもの。
Ingenuityは、シンプルなデュアルローターを備えたドローンのように見えるだろう。しかし実際には、火星で低高度の「ホップ」を繰り返すというミッションを完遂するための、重大な技術的課題を克服する革新的なエンジニアリングの賜物なのだ。実は、それを唯一の目標としている。現に、この4ポンド(約1.8kg)の機体は、何の計測機器も搭載していない。これは基本的に、将来の火星研究に役立つ空中探査機の設計と開発を準備するためのデモ機なのだ。
現実的には、Ingenuityのソフトボールほどの大きさの本体を空中に浮かすだけでも、偉業と言える。というのも、火星での飛行には、地球上に比べてはるかに大きな揚力を必要とするからだ。それは大気の性質の違いによるもの。そのため、このヘリコプターのテスト飛行は、毎回約90秒しか持続せず、わずか16.5フィート(約5m)の高さまでしか上昇できない。地球上ならたわいもないことだが、地球上での高さに換算すると、だいたい10万フィート(約30km)に相当する。普通の旅客機よりもずっと高い。
NASAのMars 2020ミッションは、今のところ今年の7月17日から8月5日の間に打ち上げ予定となっている。NASAの長官、ジム・ブライデンスタイン(Jim Bridenstine)氏は、新型コロナ対策のために必要とされる制限や回避策にもかかわらず、このミッションが最優先事項であると、何度も繰り返し表明してきた。というのも、火星に向けて飛び立つのに最適な機会は、2年に1度ほどしか訪れないからだ。
以下は、パーサビアランスが映した火星の最新画像。
NASAのロケット(ローバー)からの「火星」の画像。何とも言えない感情が沸いてくる…
— キンタロー🇺🇸 (@Tapsloveen) February 19, 2021
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